人工内耳適応記!私が感じてきたこと【手術からマッピングまで】

 

どうも、管理人です。

 

私は2017年に人工内耳の埋め込み手術を行いました。大きな決断でしたが、後悔はしていません。

 

そして人工内耳装用者となってからいろいろな変化を経験しました。

 

ちょくちょくメモをしていたので、それをもとに私がどんなことを感じてきたのか、どんな変化を実感してきたのか書いてみます。

 

あくまで管理人の主観であり、人工内耳の適応はそれまでの環境や失聴時期によってさまざまです。こんなんもあるんだなとゆるーく見てくれればと思います。

 

※管理人はメドエルのSONNETを使用しています 。

 

 

人生はじめての手術

 

いきおいで「適応記」なんてタイトルにしてしまったので、手術の場面から語っていきます。

 

手術当日、私はとてもお腹が空いていました。手術の都合で前日の夜から食事は禁止となり、水も午前中には飲めなくなってしまったからです。

 

手術に対する不安ももちろんありましたが、当日となってはもう「なるようになるさ、先生たちに任せた!」とあっけらかんとした心境でした。

 

もちろんこれには理由があります。私が手術をうけた病院には、入院患者さん向けに院内図書室がありました。そこで私はとても言葉で表せないようなすばらしい作品に出会ったのです。

 

そう、『よつばと』です!!!

 

よつばと!(1) (電撃コミックス)

 

よつばと!こそが私が入院生活と迫り来る手術に不安を覚えること無く、前向きにかまえることができた理由でした。

 

よつばとは5歳の女の子”よつば”を主人公とした日常系漫画です。キャッチコピーは「いつでも今日が、いちばん楽しい日」

なんてことない日常が、よつばの目を通してみるときらきら輝く宝物のように感じて、こんな日常に帰ろうと元気がもらえます。

 

すべての病院は院内に『よつばと』をそろえるべきだと思います(笑)よつばとに限らず前向きになれる作品は大事ですよね!

 

さて盛大に脱線してしまいましたが、人工内耳の話です。手術にいたる気持ちとしては、流れに身をまかせる感じ、ただ来るべきものがきた感覚が一番近かったと思います。自然体+ようばとで入院生活を送っていました。

 

そして人生はじめての手術。あっという間に麻酔がきいて気がついたら病室のベッドにいました。

 

顔面包帯ぐるぐる巻きで、違和感と耳の痛みがひどかったです。ズキズキするというか「ああ、耳のなかになにか入ったんだな」と思い知らされるような感覚です。

 

手術した日は、波のようにおそってくる痛みでほとんど寝れず、ナースコールで痛み止めをもらいようやく一息つけました。メモを見ると「ああ、この先どうなっちゃうんだろう、やばい」みたいなネガティブなことばかり書いてます(笑)

 

今は痛みなんてまったくないですし、インプラント(耳に入れたもの)もさわらないとわかんないですが、適応するまでは違和感で大変でした。

 

髪が長かったので、額にぐるぐるまかれている包帯から髪がはみだしてまんまケガした足軽みたいな感じだったので、鏡を見るたびににやっとする生活でした。

 

 

音入れとはじめての人工内耳装着!

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手術から3週間後くらい、音入れの日がやってきます。

 

不安とそれ以上のドキドキを「そんな期待しすぎちゃあかんぞ」となだめながらも、なかなか平静でいられません。気分は新世界にのりこむルフィです。

 

そうかと思えば、冷静になってすべてをうけいれようと悟りの気持ちになってみたり、外面は素面でも内では大波でした。

 

実際の音入れはあっけなかったです。「はじめますよ」といわれてしばらくたって「え?もう音入ってるんですか?」みたいな感じでした。

 

私の場合は、音入れ前と後で劇的な差はありませんでした。

 

というのも私は中途失聴で、聴こえていたときの記憶がまだ脳にのこっているからだそうです。これから脳が人工内耳の聴こえ方を学習していくのだと言われました。

 

わかっていても内心はもっとすごい変化を期待してしまっていたので、がっかりするというか「ああ、こんなもんなんだな」というネガティブな気持ちが正直ありました。

 

今思うと音入れしたばかりでなに言っとるんじゃってことですが、人間の感情はままならないものです。音声によるコミュニケーションは今よりできるようになるかなと、不安と焦りがじわじわと迫ってくるようでした。

 

音入れはこんな感じでしたが、一つおもしろかったこともあります。はじめてプロセッサ(耳にかける部分)を装着するとき、コイルの磁石部分がなかなかつけれなかったんです。

 

インプラントを埋め込んだ部分がわからずしばらく「ここか?いやここ?どこだ?」と右往左往しながらやっと磁石がピタッとついてくれました。

 

まさかここでつまづくとは思ってもなかったので、笑ってしまった記憶があります(笑)

 

 

1週目:まだまだ慣れない

 

人工内耳をつけての1週目の記録です。

 

音入れから起きている間はずっとつけるようにしてましたが、まだまだはっきりと音が大きくなっているという実感はありません。

 

そして起きたら人工内耳をつけるという生活にとまどっていました。耳の中にインプラントが入っている違和感はうすれてきましたが、お次はプロセッサをつけている違和感を感じていたんです。

 

しかし音入れから4日後おおきな変化がありました。

 

なぜだか急に耳に入ってくるボリュームが大きくなったんです。近くにいる家族との会話のボリュームがはっきりとわかるほど大きくなって、はじめて「人工内耳すげー!」となりました。

 

聞こえる音が大きくなるというのはすごく大きなことで、リビングにいても4Mくらいはなれた台所の包丁で切っている音が聴こえてきたりと、毎日があたらしい発見の日々でした。

 

私にとっては、むしろ「再発見」といったほうがよいのかもしれません。

 

難聴である世界になれきっていてコミュニケーション以外はそこまで不便も感じていなかったので、世の中こんな音があったんだなと感心しきりでした。空島にいったルフィのような感覚です。

 

 

2週間目:はじめての映画鑑賞

 

つづいて2週目の記録です。1週間単位になってるのは、音入れからしばらくは、毎週一回は病院へ行って言語聴覚士の先生といろいろやりながらマッピング(プロセッサに入っている音を処理するソフトをつくること)作業をしているためです。

 

この週、私にとって一生忘れられないであろう出来事がありました。

 

2回目のマッピングを終えた日、ふと「せっかく人工内耳をつけたんだから映画でもみるか」なんてことを思いつきました。

 

上映している映画も知らないまま足を運び、ちょうど時間が都合がよかったものが『ワイルド・スピードICE BREAK』でした。

 

ワイルド・スピード ICE BREAK (字幕版)

 

まさしく運命です。響きわたるエンジンの音、ドアががつんと閉まる音、シーンにあわせたBGM、そして俳優たちの個性に満ちたボイス。そこには私が知らなかった世界がありました。

 

これまで映画は家で楽しむもので、字幕をつけて無音声で見ることもありました。しかし私ははじめて全身で映画を味わいました。あまりもの大音声に驚きながらも、うれしくてたのしくて仕方ありませんでした。

 

よく言われるような世の中の捉え方がかわったような瞬間というのはこのときかもしれません。まさしく革命でした。

 

「人工内耳の手術をしてよかった」とはじめてはっきりと自覚したのです。

 

その後、家族とのコミュニケーションがやりやすくなり、初対面の人でも病院で「お気をつけてください」と聴こえたり、前向きになれたせいか、いい変化がありました。やっぱり気の持ちようは大事ですね!

 

 

3週目:経過順調

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3週目は特に目立ったことはなく、相変わらずずっとつけて生活してました。

 

聞こえてくる音がふえてきたのもこの頃だったと思います。人工内耳をつけた段階で機械としては聞こえていたけども、脳としてはまだうまく認識されてなかった音がどんどん脳に入ってきた感じです。

 

カーテンを引く音や、タイマーのピピピという音、走っている車の音や、駅のアナウンス音声の存在、世の中にも本当にいろんな音があることがわかってきました。

 

中途失聴だからか、意外と「ほうほう、すごいな聞こえるぞ」という淡々とした感じだったんですが、新しい音が聞こえると「おっ!」とわくわくしました。

 

このときには、もうスムーズに人工内耳を装着することもできて大切に使っていこうと、説明書を読み直したりしてました笑(それまでは流し読み)

 

 

4・5週目:リモコン使いへの覚醒 

 

 4週目・5週目の記録です。

 

はじめはあまりボリュームをいじらないほうがいいと聞いていたので、リモコンは放置状態だったんですが、このころリモコンをポケットの忍ばせていじってばかりいました。

 

その場で一番適したボリュームにするのが大切なことだと思いこんで、いろいろ試していた時期です。

 

結果としていたずらにいじるのは、混乱するばかりで逆効果であることがわかり、マップ自体のボリュームを一番適したものにすることが大切だと学びました。

 

自分からいろいろ人工内耳の性能を引き出そうと試してみたり、周辺機器ってどんなものがあるんだろうと調べてみたり、人工内耳側によってったという意味では順調に適応していました。

 

「俺次第でこいつはもっと、もっとやれるはずだ!」なんて少年漫画のような考えでいたように思います笑

 

 

6・7週目:単語テスト開始

 

少年漫画的考えのもと「もっと適応していくためにできることはないか?」と考え、先生に聞いて単語聞き取りテストをはじめたのがこの時期です。

 

家族に協力してもらって、毎日10問口を見ずに人工内耳だけで聞き取る練習をしました。

 

単語1つにつき最高3回までオッケーという方法で、はじめは1つもわからなかったんですが、少しずつ聞き取れることも増えてきました。

 

またこのこと言語聴覚士の先生にどうやって自分の聞こえの感覚や、マップによる聞こえの違いを伝えればうまいことマッピングが進むのかかなり悩みました。

 

最初の段階は検査によってマップが作られますが、その後の微調整は主観の割合が大きくなります。

 

現時点での理想のマップはどうやったら出てくるか、先生と話し合いながら詰めていきました。しまいにはアプリの画像透過率◯%にたとえて、今の聞こえ方における音声のぼやけ具合は30%みたいな言い方もしてましたよ。

 

私も先生も若い年代でよかったです。これで年代が違ったりすると伝えたいニュアンスがずれちゃったりするのかななんて思いつつのマッピング作業です。

 

聞こえに関してはもう人工内耳をつけている自分に違和感を感じることなく、自然体で過ごしています。もうそこにあることがあたりまえです。

 

 

8・9週目:本読み開始

子ども版 声に出して読みたい日本語 7 メロスは激怒した 吾輩は猫である/近代文学

 

このころ本読みもはじめました。

 

家族に読んでもらって、自分でも読んで、また聞くという地道な練習です。普段の会話だけではなかなか人工内耳だけで聞く経験が少ないかなと思ったので先生とも相談してやってみました。

 

題材は『子供版声に出して読みたい日本語シリーズ』

新聞とかも選択肢にあったんですが、読んで聞いて楽しいもの、まったく知らないものではなくなんとなく知っているものという点からこちらにしました。

 

毎日ではなく、数日に一回のペースでやっていますが、訓練しながらいろんな日本語を知ることもできるので、飽きが来ないです。人工内耳しているお子さんとか興味持ったらむいてるかもしれません。

 

管理人は「言葉遊び」と「宮沢賢治」が好きですね!

 

 

10・11週目:なじんできたかも?

 

このころ「あれ、なんかなじんできたな」って感覚がありました。

 

私は人工内耳をつけたころから、よく言われる「宇宙人の声」や「機械の音」というよりは記憶にある「人の声」っぽい感じが強かったんですが、このころさらに耳に馴染んできた感覚がありました。

 

うまく言葉にすることが難しいのであれなんですが、やっぱり長い目で見ることが大事なんだなとすごく思います。

 

毎日人工内耳をつけながら、いろんな音を聞くようにして、できることはないか試行錯誤していくことが重要だと思いました。

 

またこの週ははじめて2つのマッピングを試すことになりました。

 

次のマッピングまでの2週間、最初はマップ①、次にマップ②で半々にして過ごしました。日常生活ではそこまで大きな差は感じなかったんですが、単語聞き取りテストで正答率をだしてみると、60%と30%になっていて客観的なデータの大切さを実感しました。

 

次のマッピング作業ではこのデータをたたき台にすることで、自信をもって先生と話せました!今後も続けていこうと思います。

 

まとめ

 

人工内耳の手術をしてしばらくたちました。

 

せっかくなので、これまでの経験をまとめておこうと筆をとったらけっこうな文量となっちゃいました。そのときの勢いに任せているので、まとまりなんてかけらもないですが、まあどこかしら参考になったならうれしく思います!

 

今後も感じることがあれば追記していこうと思います。もっと詳しく聞きたいという人がいたら、出来る限りお答えします。Twiterのダイレクトメッセージなどでどうぞ。